これは本当の鬼ごっこだった!
「討鬼伝」
レビュー
コーエーテクモゲームス、久しぶりの完全新作は今流行のマルチハンティングアクション!
「まーた狩りゲーか」というところからスタートした討鬼伝
クローズド体験会を経て、衝撃のアクション体験版からはや4ヶ月
異例の体験版パッチや新しい体験版を通して急速に進化した討鬼伝がついに発売した
さらに発売2周目にして既に30万本の出荷を記録
PSVita本体の売上にも大きく影響した本作
実際のところどうだったのか、レビューをここに記そう
【岡野朔太郎の評】
私は昔、埼玉県秩父市、不動滝に出かけたことがある。
滝から流れてくる水しぶきが、独特な清涼感をかもし出し、ケアルとはこんな感覚なのかと冒険者の気分に浸っていた。
まさかそのケアル感をゲーム内で体験できるとは思わなかった。
本作の一部エリアにある滝で、この感覚を体感することができたのだ。
滝からの霧のような水しぶきを見た瞬間、全身がヒヤッと、電車の中で感じた。
これは美麗なグラフィックと、その雰囲気に合った音楽、SE(サウンドエフェクト)がマッチしてこそ出せるものだろう。
その他にも山、海辺、紅葉などなど、1本のゲームで様々な場所へ観光が可能だ。
これはゲーム史上、最もリアルな「和」だろう。
<アクション>
すごいのはグラフィックや雰囲気だけではない。
本作品、アクションが素晴らしい。
(ここでの筆者岡野が主武器として使用している大刀について記述しています)
これぞ私の求めていた太刀アクション
「素早さと重みの両立」「重みのある爽快感」
筆者岡野はモンスターハンターシリーズ(以下MH)で太刀が登場して以来、生粋の大刀ファン。
MHシリーズの重みのある太刀アクションが大好きだ。
しかしWiiのMH3から、爽快感を重視したためか全体的に素早い動きとなった。
するとそれ以降のMHシリーズの太刀からは、あまり重みを感じられなくなってしまった。
そんな重みのあるアクションと、爽快感のある素早いアクションが絶妙にマッチしているのがこの討鬼伝の太刀なのだ。
この新しい感覚は是非体験してほしい。
☓+□で敵の周りを素早く立ち回り、△と□の組み合わせでザッシュザッシュと斬っていく、こんなアクションがしたいと思ってた。
更にエフェクトも派手で、重みのある爽快感をより一層引き立てている。
<キャラクター・ストーリー>
こちらもまた魅力的だ。
ストーリーを通して、主要キャラ一人一人にスポットが当てられ、かつ一つの大きな目的に向かって進むため、非常にスッキリとしている。
キャラクターもささやかだが強い思いを秘めており、しつこくなく、かといって影が薄いわけでもない。
非常にバランスが良い。
そのキャラクター達も世界観にマッチしており、左氏の綺麗で落ち着いたデザインも良い。
加えてそのデザインをうまく3Dモデルとして落とし込むことにも成功している。
<鬼>
今作で敵となるのは「鬼」だ
鬼といっても鬼らしい大型の鬼はメインビジュアルにもなっているゴウエンマぐらいしかいない。
もっと鬼である特色を生かせなかったものかとは思うが、個性豊かな面々が揃っている。
発売前、大型の鬼の少なさを危惧していたが、その心配はなかった。
鬼のモーション、攻撃については、ピンキリといったところ。
アクション体験版からのミフチや体験版ラストでチラっと見えたカゼキリ、ゴウエンマなどは、こちらが気持ちよく攻撃され、気持よく攻撃できる(MHでいうナルガクルガ、GEでいうバジュラやハンニバルなどのような)設計になっている。
おそらくプレイヤーの立ち回りも考えて作られたのだろう。
ただゴウエンマさんは、プレイヤーのことを考えすぎて、全体的に動きが遅くなってしまっているようにも感じる。
しかしだ、しかし。一部の、一部の鬼が本当に残念なんだ。
例えば、ツチカヅキさん。
彼とははじめ、地上で戦うこととなる。
ブレードや回転攻撃など、気持よく立ち回れる部類にはいるのかと思っていた。
だがそうじゃなかった。
バトルも佳境に差し掛かってきたころ、ツチカヅキさんはタマハミ状態になった(システムで後述)
彼は地中に入ったのだ。するとどうしたものか、なかなか地上に出てこない。
出てくるといっても攻撃の時チラっと出てくる程度。
その間にも攻撃を加えることはできるが、かなりの時間がかかってしまう。
もぐること自体、否定する気はないが、彼が攻撃するスキや地上に出てくる時間をもう少し延ばしてほしいと感じた。
ツチカヅキさんだけは許さない。
全てのボスが気持よく立ち回れるタイトルなど0に等しいが、
カゼキリ先輩やミフチ先生のような鬼がいるだけに、本当に残念だ。
<システム>
システムに関しては、特に斬新なものは少なく、シンプルに感じる。
しかし今作はマルチハンティングアクションのなかでもスキルシステムについては特に優秀だ。
ミタマの組み合わせや強化の過程でスキルを習得するだけでなく、関係のある人物のミタマ、中岡慎太郎と坂本龍馬、源義経と静御前、のように関係の深いミタマ同士を組み合わせることによって発動するスキルもある。
独特のミタマシステムをスキルシステムにうまく生かせていると言っていいだろう。
防具で発動するスキルは一貫したシリーズ発動なところが残念。
防具は直接見た目に関わってくるし、個性のある装備、無限のスキル構成ができると、スキルの工夫の幅がグンと広がるだろう。
更にミタマも、絵だけでなく時代背景やその人物の歴史など芸が細かい。
加えてストーリー上でも重要なポジション、違和感なく組み込まれている。
鬼について、大型の鬼の体力が一定以下になるとタマハミ状態として、モーションやステータスが上昇する。
この状態によってバトルのマンネリ化を少しは防げている。
更に今回の最大の特徴である「部位破壊」
そのエフェクトとカメラの演出は最高に気持がいい、まさに斬釘截鉄の爽快感。
一瞬時の止まるような洗練され張り詰めた空気が、破壊した瞬間に漂う。
これは体験版でも体感できるだろう、是非一度体験してみてほしい。
しかし、部位を破壊された鬼が破壊されてないように動きをするところだけは頂けない、足を部位破壊したのに平然とたってる姿は滑稽である。
<総括・今後の展開>
私はクローズド体験会の頃から、この作品を追い続けている。
アクション体験版、異例の体験版パッチ、体験版、製品版。アクション体験版から製品版で、かなり進化してきた。
製品版をこのクオリティで発売できたのは、失礼だが「奇跡」だと感じる。
(だが奇跡を起こせるほどの素質はあったということだ)
続編が作られるとき、まずこの奇跡を、クオリティをよく見極めて欲しい。
故意的に起こされたものではなく、偶然拾ったものだ。それを進化させるためにはまずそれを研究しなければならない。
アクションやシステムはもちろん今後の販売方法、慎重な展開を望む。
まだ購入していないという方は是非、洗練された和の世界観と爽快感のあるアクションを是非体験版を通して体験してみてください。
更に購入するならPSVita版を強くオススメします。
この世界の美しさは、是非Vitaの有機ELで見ていただきたいからです。
<製品情報>
-討鬼伝-
PlayStationVita版
パッケージ版 6090円
ダウンロード版 5400円
PlayStation Portable版
パッケージ版 5040円
ダウンロード版 4500円
公式サイト
http://www.gamecity.ne.jp/toukiden/
製品版へ引き継ぎ可能な体験版配信中
PSV版はSEN、PSストアから
http://www.jp.playstation.com/psn/welcome-senstore/?tkgpscom=cadplgs0004027
PSP版はこちらからダウンロード可能です
http://www.gamecity.ne.jp/toukiden/trial2nd.html
ゲーム・ミュージック
コーエーテクモウェーブ (2013-08-28)
売り上げランキング: 595
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【ロジオンの評】
「部位破壊をしなきゃいけないゲームから、部位破壊がしたくなるゲームへ」
ぐわぁぁぁぁぁぁ鈍い。
鈍過ぎる。
ゲームが面白いとかつまらないとか画面が綺麗とかそんな事に目が行きつく前に、鈍過ぎる、で全てが終わってしまう。
余りの鈍さに俺の身体が平野耕太級の体重になってしまったんじゃないかと錯覚してしまうレベルだった。
余りの遅さに、ゲーム画面が綺麗だとか各武器がどうとかすらこれっぱかしも考える余地が無かった。
それくらいに遅かった。鈍かった。
体験版第一弾はそんな感想しかとにかく出てこなかった。
だからこのゲームは岡野さんが「クローズド体験会に出ちゃった手前、俺が責任持って買いますよ」なんていってたほどで全然自分は買う気がなかった。
俺は本当に遅いアクションゲームが好きじゃないのだ。
好きじゃないという事はイコールつまらないという事ではない。
そういうゲーム性なのだ。単に合わないって話だ。
しかしあのモンスターハンターを越える遅さに加えて、それに反比例するかのようなスタミナのハイスピードな消費速度はモンハンよりも更に耐えられなかった。
でも討鬼伝はこの点については少し不幸だった。
所謂狩りゲーと言われるゲームの元祖であるモンスターハンター以外のゲームは全てスピード重視系のゲームで意外とモンスターハンター直系の狩りゲーは無い。
また直近にソウルサクリファイスというゲームをやっている人もいたので余計にスピードに対する意見は酷評に繋がったに違いない。
GE2への引継ぎでGEBをまさに遊んでる最中の人も居ただろう。
体験版第一弾の時点で鎖鎌の他に双刀が出ていればまたハイスピードが好きな人のこのゲームの見え方も少し違ったかもしれない。
この武器は他の武器と比べても圧倒的スピード重視の武器で鎖鎌同様に空中で戦う事の出来る武器だからだ。
ただ空中で戦う武器である双刀や鎖鎌はスタミナ消費が現時点でも物凄い早いから、どの道当事のスタミナ消費は修正は必須だっただろうけど。
引継ぎ体験版は大方の人間が不満だったゲームスピードに関しては言うまでも無くUIや武器常時抜刀など細かなところも修正され、いよいよゲームの本筋やNPCが解禁されたことで第一弾体験版時の評価を、当時想像出来なかったレベルで大きく覆した。
自分も全く買う予定ではなかったのにゲーム購入予定表を大きく変更してアマゾンで速攻でポチッたほど!(結局予約特典欲しかったのでツタヤにしたけど・・・)
割とどのゲームのレビューでも書いてるけどVitaは携帯機としては破格のスペックを持つ割に、ゲームその物は面白くてもそのスペックを体現するかのようなゲームは少ないのが現状。
(ゲームのクォリティではなく規模的な話しとしての)低層から中層は充実しているが上層に一歩踏み込むゲームはまだまだまだ少ない。
そういう中で討鬼伝はグラフィックだけ見ても他ハンティングアクションの追随を許さないし、携帯機とは思えない綺麗なグラフィックでちょっとこれは感動すると思う。
あぁ大手のゲーム会社がVitaで本気でゲームを作るとこうなるんだな、と。
この手のゲームのグラフィックは間違いなく討鬼伝が一番。
よくゲームにグラフィック向上はいらないなんていうけれどあれは嘘で、雰囲気を出すためのグラフィック向上は必要だと思う。格好良いと思ったり、美しいと思ったり、そんな五感をくすぐるためのグラフィック向上は絶対にゲームに必要なのだ。(ケースバイケースであのゲームにはこんな方向性のグラフィックが必要だろうし、このゲームにはこんなグラフィックが必要だろうというだけの話である。)
正直マルチの安定性とかも考慮して、これくらいが限界なのかな~、なんて他のゲームによく思ったりしてたけれど、それをまた更に大きく更新したと思う。
ロンチ時の無双next遊んだ人からすると、グラフィックに関してはもっといけると思ったみたいだけれど。
またグラフィックが綺麗なだけじゃなくてイラストを担当している左氏の絵もこのゲームに華を添えてる。
左氏というとアトリエシリーズの柔らかくて可愛い絵の印象が強いけれど、討鬼伝では討鬼伝の絵になってます。プロだから当たり前っちゃ当たり前なんですけど、イメージを引きずる事なくすんなり移行出来る感じ。
大和のような渋いおっさんキャラを描けるなんて!
あと大体ゲーム画面とイラストって大きくかけ離れちゃうものだけど、それが無いのも良いポイント。
フィールドも美しいから歩いてるだけで楽しいしスクショばんばん撮ってしまう。
ただキャラクターの装備やキャラクターの顔はちょっと不満あり。
キャラクターの顔は多くのキャラクリがあるゲーム同様に、NPCクォリティのキャラは作れない。
特殊性癖のある人を除いて、ほとんどの人はNPC準拠のキャラクターを作りたいと思うだろうけど、NPCと並ぶとちょっと劣ってしまうような顔タイプが多い。
特に男。
特に男!
これいつも言ってるんですけどなんでこんな変な顔ばっかりにするんだよ!
所謂普通の、汎用的な顔を目指しすぎて逆におかしな事になってる。
いくらモノノフって言ってもなんか臭そうやん?
速鳥とかあんな涼しそうな顔してるのに。
男キャラに限っては1番目の顔だけが一番良いんだけど、PSPとVitaの比較画像が出回ったとき、この一番目の顔が比較に使われてんだけど、PSPの方が良い顔してるんだよね。
何でかっていうとVita版は顔が綺麗ではっきりしすぎてるから気持ち悪いんだけどPSPはちょっと潰れて曖昧になってるから、そっちの方がよく見えるんですよ。
女性キャラは圧倒的にVita版の方がいいけどね。
まぁ女性キャラもおてもやんみたいな顔の人いるけど、バランス取れてるから全然別に気にならない。
男はなんであんな変な顔のばっかにするんだよ~。
ブサメンブームとか来ないから!鏡の前見ると落ち込むのは現実だけで結構です。
防具もNPC装備が滅茶苦茶格好良いだけに、プレイヤーのはやや劣る感じだ。
最初大和の装備とか作れると思ってたからね。
……グラフィックの事を喋りすぎた。
ゲームシステムがゲームは一番大事なんだからね。
また狩りゲーか!なんてGE以降に出るハンティングアクションゲームには全て突っ込んできたものだけれど結局このゲームも買ってしまったから、
MHP2G、MHP3、GEB、ラグナロクオデッセイ、ソルサク、討鬼伝 (一応ロードオブアポカリプス)
と、意外と文句言いつつ遊んでる事になる。
まぁ未だにこのゲーム形式はオンラインゲームの縮小版だと思っているし、差別化は難しいと思っているけれど。
ソルサクとラグオデは実験的な事をやっていち早く単なる狩りゲーから脱却しようとしてるように思う。
では討鬼伝がゲームシステムとして優れているところはどこだろうか?
これまでのこの手のゲームの部位破壊は敵を倒す過程で装備のために破壊しなきゃいけなくて、結構義務的で面倒臭いものだった。
このゲームが主眼を置いてるのは部位破壊で、部位破壊がとにかく爽快。
最初の24~30時間くらいはこの部位破壊の効果音と画面に吸い込まれるかのようなエフェクトでこれだけで飯3杯いける。
作業してる気にならないやりこみゲームは大体、一つや二つ、癖になってしまう要素があるものだけど、討鬼伝のこれはそういうものだと思う。本当に気持ちが良い。
別に全部位破壊しないでさっさと倒せるボスでも破壊したくなってしまう。
こういう感覚は他ハンティングアクションには無かった事だと思う。
修正されたスピードはモンハンほど遅くなく、GEBやラグオデほど速いという訳でもなく、歩くスピードもフィールドに対して速すぎなくて、このゲームの最初の特徴を崩してしまうほどのものではない。スピードが速くなって快適になったとしても、ゲーム本来の目的・特徴を崩してしまえばそれは改善したとは言えず、単にユーザーの御用聞きをしたに過ぎない。そういう意味ではユーザーの出す意見がゲームに直接影響を与える昨今、ユーザーにも発言の責任はあると思う。勿論弱小個人ブログで意見を発信している自分にも、だ。
ただ、スピード上昇は一部のボスにはかなり響いてる模様。
明らかに体験版第一弾のスピードに合わせて作られたなという大型鬼(=ボス)が散見され、プレイヤーのスピードを上げたならこれらの大型鬼もそれに合わせてスピードを上げ、攻撃頻度を上げなければ駄目だったと思う。
一作目とは思えない程大型鬼の動きがいいだけに、単なる的になってしまっている鬼がいるのは勿体無い。
物語序盤も余りに初心者に配慮しすぎたせいか、俺のようなアクションゲーム初心者でも大型鬼を初見でストレートに倒せる事もあって明らかに温い。
アクションゲームの良ボスモンスターの基準は、
弱いのに体力を水増しして時間稼ぎしていない事
弱いのに走る行動ばっかとって時間稼ぎしない事
行動パターンが豊かな事
行動パターンを覚えたとしても油断すれば死ぬ可能性がある事
完全にパターンを覚えてしまっても飽きない動きをする事
だと思う。
そういう意味ではダイマエンほどとは言わないけど、カゼキリやヒノマガトリの様な素早い大型鬼がもっと必要だったと思う。彼等は初見だと難しい上に動きがしっかりしているから、もしこちら側がやられてもまたやってやろう!という気になる。
ダイマエンは物語の途中で出てくるボスとしては強すぎる事でネタになったほど。
中には強すぎるという声もあるみたいだけれど、序盤がボスとしては余りにストレートに攻略出来すぎたのでダイマエンはそういう意味ではこのゲームの芯として、壁として、とあるNPCの過去に関わってくる重要な鬼として、きっちり強くなければいけない理由がある。
それに、ダイマエンは単なる無理ゲーではなくきっちり攻撃対処を覚えれば高い勝率で勝てるようになっている。それでも油断すれば負ける可能性があるのだからかなり良いボスだと思う。
小型鬼(=雑魚)も攻撃頻度が高くなく、大型鬼と一緒に出現した場合も大して障害としての役目を果たしてない。大して動くこともなくあっという間にタコ殴りにされて死んでしまう。これは鬼千切ならぬ鬼イジメである。
この手のゲームの性質上前半出てきた散々狩り尽くしたボスも後半登場するのだが、これが体力を水増ししただけという感じで、単にプレイ時間が増えるだけで退屈。これは後半もっと強くなります、とは言わないと思う。
どのハンティングアクションにも言える事だけれど、どうせ前半に出てくるボスは弱いのだから最初から全ての動きを開放せずに、チャプターを重ねて後半になればなるほど動きが開放されていったらいいのになと思う。
そうすると後半、同じボスが出て「まーたこいつか」なんて思っても、違う行動パターンになっていたら「なんだこれは!」と驚く事が出来るのに。
(これは蛇足かもしれないけれど、折角大型鬼も後半になると変身するのだから逃げるという形じゃなく、鬼がプレイヤーを挑発する形で変身して別エリアに去って行き、そこで第二段階との再戦と言うのも悪くない気がする。これは本当にやったら賛否あるだろうけれど、ただひたすら殴りまくるんじゃなくてホッと一息つく時間が欲しいのだ。)
そして死の概念はかなり軽い。
NPCがかなり優秀なのもあるけれど何度死んでも何度撤退しても大丈夫。
撤退すると入手ハクが減るけれどそのくらいしか害は無い。所謂GE方式。
NPCが優秀なのは単に見てるだけでも良いものだけど、その分死を重くしなければ緊張感が無い。
だからこの難易度でNPCが居て3回死んだらゲームを消すという謎の縛りを最初から自分にかけて遊んでいた。
武器が複数種類あるのはもう当たり前で各武器の特徴について一々触れない。
76時間遊んでる現在でもまだ双刀以外の武器は使って無いから触れられないっていうのもあるんだけど。(全双刀作るまでは他の武器はやらんぞ!)
武器スタイルの他に大きく戦闘に影響を与えるのはミタマっていうシステムで200種類くらいあるミタマは8種類の戦闘スタイルに分けられる。そして8種類にはそれぞれ固定の回数制限付きのタマフリっていう特殊能力が設定されている。
例えば迅というスタイルであれば特殊能力でスタミナ消費を遅くしたり、逆にスタミナ回復を早くしたり攻撃速度を早くしたりと手数が多いスタイルにしたり出来るし、癒というスタイルなら、特殊能力で味方を回復したり戦闘不能の者を瞬時に復活させたりと支援特化のスタイルになる事が出来る。
またラグオデのカードシステムみたく各ミタマはスキルを3つ覚えられるからいろんなスタイルのキャラクターに出来るしここがこのゲームの醍醐味だと思う。
ただ欲を言えば8種類のスタイルに設定された特殊能力(タマフリ)は例えミタマの英霊の名前が違っても固定だし、それぞれのミタマにオリジナルの特殊能力が一つだけ設定されていてもよかったのにな~と思った。付与されてるスキルは皆違うからそれでいいのかもしれないし200以上も越えるミタマにそれぞれオリジナルの特殊能力をつけるなんて現実的な話ではないけれどね。
でもこのシステムはいろんなタイプのキャラクターが作れて面白い。
ミタマもまだまだ全入手にはいたらないし、攻略サイト泣かせなのも余計に熱が入って良いですね!
最近はぱっと攻略サイトとか埋まっちゃうからそういうところも面白くないから。
次回作は単に武器種が増えるだけじゃなくてミタマのスタイルが増える事にも期待出来るね。
物語に関しては、仲間・信頼・正義・1人じゃないみたいな日本の王道テーマなので既に沢山ゲームやってる自分があーだこーだ言うのは野暮なので触れない。極標準的な物語であるとだけ。
総合的に見てこのゲームは一部分だけを切り取ってここが良いっていうゲームじゃなくて、全体的な要素が高いところに位置していてバランスがとにかく良いゲーム。
大体一番最初の作品は、荒削りだけど一作目にしては良い、とか、一つの要素が際立っているがバランスとしてはまだまだ、なんて言い方になるけれど討鬼伝は最初っから大作の領域に一歩踏み込んでるゲームだと言い切れる。(欲を言えばバトル以外でも熱中できる要素が欲しかった。)
グラフィック、キャラクター、イラスト、ゲームシステム、がかなり高い次元で良いバランスをとってるし、これ以降この手のゲームを出すのはまたハードルが上がると思う。
Vitaで大手メーカーが本気を出すとこれくらい出来るっていう事も分かってしまったし。
ただインターネットマルチで最初っからコミュニケーションが取れなかったのは残念だったですけどね。意外と普通のところに手がいってない感じだった。今はもう出来ます。でもこれはユーザーの要望を受けた、というよりは今は標準搭載で当たり前の時代だから手放しにユーザーの願いが叶ったという部分ではないかも知れない。
ただそれ以外の要望の叶え方は本当に凄いですけどね。オメガフォース初めてのゲームがこれで本当に良かった。
*以下ネタバレ反転*
さて色々言われてる大型鬼に触れない訳にはいかない。
ツチカヅキは土竜型の鬼で、戦闘も後半になると変体して地中に潜る。
その間頭部位と腕部位以外、即ち足は一切攻撃出来ない。
この鬼は色々言われてかなり不遇だが地中を泳いでイルカの様にぴょんぴょん跳ねている時、実は攻撃をあてれば亀のようにひっくり返って体勢を崩すのだ。
だから全く攻撃出来ない時間を少しでも短縮出来るようにはなっているのだ。
このゲームの新の駄目鬼はツチカヅキではないと強く主張したい。
本当の駄目鬼はトコヨノオウ!おぬしだ!
とにかくこの大型鬼はラスボスにして最悪な鬼である。
動き自体は大したこと無いのに後半変体するととにかく走りっぱなしの状態になり攻撃しに近寄ろうものならあっという間に轢かれてしまう。
しかも止まるのは恐らく法則性の無いものだし止まった後1~2回くらい攻撃するとまた走りまくる。
このボスは本当に最悪である。
で、クリアすると結局40分くらい経っている。
走ってる間はとにかくプレイヤースキルが問われる事は一切無い。
トコヨちゃんを追いかけて俺達も走り続ける事になる。
まさか最後の最後で、本当に鬼ごっこをやらされるとは思わなかった。
こいつを倒すとエンディングだけど、これでもかこれでもかと感動させる近年の邦画形式ではなく、多くは語らないあっさりとしたものだったので、そこはこの物語の中でもとても良かった部分だと思う。
またクリアしてもゲームの要素の全てがヴェールを脱いでないというのも素晴らしい。終わった瞬間から再びゲームが始まるのだ。
今回PSP版買った人もVita版の魅力に気づいて次回作品ではVita版に興味持ってくれると良いですね。
これにて討鬼伝レビュー終了。
【ロジオンの評】
「部位破壊をしなきゃいけないゲームから、部位破壊がしたくなるゲームへ」
ぐわぁぁぁぁぁぁ鈍い。
鈍過ぎる。
ゲームが面白いとかつまらないとか画面が綺麗とかそんな事に目が行きつく前に、鈍過ぎる、で全てが終わってしまう。
余りの鈍さに俺の身体が平野耕太級の体重になってしまったんじゃないかと錯覚してしまうレベルだった。
余りの遅さに、ゲーム画面が綺麗だとか各武器がどうとかすらこれっぱかしも考える余地が無かった。
それくらいに遅かった。鈍かった。
体験版第一弾はそんな感想しかとにかく出てこなかった。
だからこのゲームは岡野さんが「クローズド体験会に出ちゃった手前、俺が責任持って買いますよ」なんていってたほどで全然自分は買う気がなかった。
俺は本当に遅いアクションゲームが好きじゃないのだ。
好きじゃないという事はイコールつまらないという事ではない。
そういうゲーム性なのだ。単に合わないって話だ。
しかしあのモンスターハンターを越える遅さに加えて、それに反比例するかのようなスタミナのハイスピードな消費速度はモンハンよりも更に耐えられなかった。
でも討鬼伝はこの点については少し不幸だった。
所謂狩りゲーと言われるゲームの元祖であるモンスターハンター以外のゲームは全てスピード重視系のゲームで意外とモンスターハンター直系の狩りゲーは無い。
また直近にソウルサクリファイスというゲームをやっている人もいたので余計にスピードに対する意見は酷評に繋がったに違いない。
GE2への引継ぎでGEBをまさに遊んでる最中の人も居ただろう。
体験版第一弾の時点で鎖鎌の他に双刀が出ていればまたハイスピードが好きな人のこのゲームの見え方も少し違ったかもしれない。
この武器は他の武器と比べても圧倒的スピード重視の武器で鎖鎌同様に空中で戦う事の出来る武器だからだ。
ただ空中で戦う武器である双刀や鎖鎌はスタミナ消費が現時点でも物凄い早いから、どの道当事のスタミナ消費は修正は必須だっただろうけど。
引継ぎ体験版は大方の人間が不満だったゲームスピードに関しては言うまでも無くUIや武器常時抜刀など細かなところも修正され、いよいよゲームの本筋やNPCが解禁されたことで第一弾体験版時の評価を、当時想像出来なかったレベルで大きく覆した。
自分も全く買う予定ではなかったのにゲーム購入予定表を大きく変更してアマゾンで速攻でポチッたほど!(結局予約特典欲しかったのでツタヤにしたけど・・・)
割とどのゲームのレビューでも書いてるけどVitaは携帯機としては破格のスペックを持つ割に、ゲームその物は面白くてもそのスペックを体現するかのようなゲームは少ないのが現状。
(ゲームのクォリティではなく規模的な話しとしての)低層から中層は充実しているが上層に一歩踏み込むゲームはまだまだまだ少ない。
そういう中で討鬼伝はグラフィックだけ見ても他ハンティングアクションの追随を許さないし、携帯機とは思えない綺麗なグラフィックでちょっとこれは感動すると思う。
あぁ大手のゲーム会社がVitaで本気でゲームを作るとこうなるんだな、と。
この手のゲームのグラフィックは間違いなく討鬼伝が一番。
よくゲームにグラフィック向上はいらないなんていうけれどあれは嘘で、雰囲気を出すためのグラフィック向上は必要だと思う。格好良いと思ったり、美しいと思ったり、そんな五感をくすぐるためのグラフィック向上は絶対にゲームに必要なのだ。(ケースバイケースであのゲームにはこんな方向性のグラフィックが必要だろうし、このゲームにはこんなグラフィックが必要だろうというだけの話である。)
正直マルチの安定性とかも考慮して、これくらいが限界なのかな~、なんて他のゲームによく思ったりしてたけれど、それをまた更に大きく更新したと思う。
ロンチ時の無双next遊んだ人からすると、グラフィックに関してはもっといけると思ったみたいだけれど。
またグラフィックが綺麗なだけじゃなくてイラストを担当している左氏の絵もこのゲームに華を添えてる。
左氏というとアトリエシリーズの柔らかくて可愛い絵の印象が強いけれど、討鬼伝では討鬼伝の絵になってます。プロだから当たり前っちゃ当たり前なんですけど、イメージを引きずる事なくすんなり移行出来る感じ。
大和のような渋いおっさんキャラを描けるなんて!
あと大体ゲーム画面とイラストって大きくかけ離れちゃうものだけど、それが無いのも良いポイント。
フィールドも美しいから歩いてるだけで楽しいしスクショばんばん撮ってしまう。
ただキャラクターの装備やキャラクターの顔はちょっと不満あり。
キャラクターの顔は多くのキャラクリがあるゲーム同様に、NPCクォリティのキャラは作れない。
特殊性癖のある人を除いて、ほとんどの人はNPC準拠のキャラクターを作りたいと思うだろうけど、NPCと並ぶとちょっと劣ってしまうような顔タイプが多い。
特に男。
特に男!
これいつも言ってるんですけどなんでこんな変な顔ばっかりにするんだよ!
所謂普通の、汎用的な顔を目指しすぎて逆におかしな事になってる。
いくらモノノフって言ってもなんか臭そうやん?
速鳥とかあんな涼しそうな顔してるのに。
男キャラに限っては1番目の顔だけが一番良いんだけど、PSPとVitaの比較画像が出回ったとき、この一番目の顔が比較に使われてんだけど、PSPの方が良い顔してるんだよね。
何でかっていうとVita版は顔が綺麗ではっきりしすぎてるから気持ち悪いんだけどPSPはちょっと潰れて曖昧になってるから、そっちの方がよく見えるんですよ。
女性キャラは圧倒的にVita版の方がいいけどね。
まぁ女性キャラもおてもやんみたいな顔の人いるけど、バランス取れてるから全然別に気にならない。
男はなんであんな変な顔のばっかにするんだよ~。
ブサメンブームとか来ないから!鏡の前見ると落ち込むのは現実だけで結構です。
防具もNPC装備が滅茶苦茶格好良いだけに、プレイヤーのはやや劣る感じだ。
最初大和の装備とか作れると思ってたからね。
……グラフィックの事を喋りすぎた。
ゲームシステムがゲームは一番大事なんだからね。
また狩りゲーか!なんてGE以降に出るハンティングアクションゲームには全て突っ込んできたものだけれど結局このゲームも買ってしまったから、
MHP2G、MHP3、GEB、ラグナロクオデッセイ、ソルサク、討鬼伝 (一応ロードオブアポカリプス)
と、意外と文句言いつつ遊んでる事になる。
まぁ未だにこのゲーム形式はオンラインゲームの縮小版だと思っているし、差別化は難しいと思っているけれど。
ソルサクとラグオデは実験的な事をやっていち早く単なる狩りゲーから脱却しようとしてるように思う。
では討鬼伝がゲームシステムとして優れているところはどこだろうか?
これまでのこの手のゲームの部位破壊は敵を倒す過程で装備のために破壊しなきゃいけなくて、結構義務的で面倒臭いものだった。
このゲームが主眼を置いてるのは部位破壊で、部位破壊がとにかく爽快。
最初の24~30時間くらいはこの部位破壊の効果音と画面に吸い込まれるかのようなエフェクトでこれだけで飯3杯いける。
作業してる気にならないやりこみゲームは大体、一つや二つ、癖になってしまう要素があるものだけど、討鬼伝のこれはそういうものだと思う。本当に気持ちが良い。
別に全部位破壊しないでさっさと倒せるボスでも破壊したくなってしまう。
こういう感覚は他ハンティングアクションには無かった事だと思う。
修正されたスピードはモンハンほど遅くなく、GEBやラグオデほど速いという訳でもなく、歩くスピードもフィールドに対して速すぎなくて、このゲームの最初の特徴を崩してしまうほどのものではない。スピードが速くなって快適になったとしても、ゲーム本来の目的・特徴を崩してしまえばそれは改善したとは言えず、単にユーザーの御用聞きをしたに過ぎない。そういう意味ではユーザーの出す意見がゲームに直接影響を与える昨今、ユーザーにも発言の責任はあると思う。勿論弱小個人ブログで意見を発信している自分にも、だ。
ただ、スピード上昇は一部のボスにはかなり響いてる模様。
明らかに体験版第一弾のスピードに合わせて作られたなという大型鬼(=ボス)が散見され、プレイヤーのスピードを上げたならこれらの大型鬼もそれに合わせてスピードを上げ、攻撃頻度を上げなければ駄目だったと思う。
一作目とは思えない程大型鬼の動きがいいだけに、単なる的になってしまっている鬼がいるのは勿体無い。
物語序盤も余りに初心者に配慮しすぎたせいか、俺のようなアクションゲーム初心者でも大型鬼を初見でストレートに倒せる事もあって明らかに温い。
アクションゲームの良ボスモンスターの基準は、
弱いのに体力を水増しして時間稼ぎしていない事
弱いのに走る行動ばっかとって時間稼ぎしない事
行動パターンが豊かな事
行動パターンを覚えたとしても油断すれば死ぬ可能性がある事
完全にパターンを覚えてしまっても飽きない動きをする事
だと思う。
そういう意味ではダイマエンほどとは言わないけど、カゼキリやヒノマガトリの様な素早い大型鬼がもっと必要だったと思う。彼等は初見だと難しい上に動きがしっかりしているから、もしこちら側がやられてもまたやってやろう!という気になる。
ダイマエンは物語の途中で出てくるボスとしては強すぎる事でネタになったほど。
中には強すぎるという声もあるみたいだけれど、序盤がボスとしては余りにストレートに攻略出来すぎたのでダイマエンはそういう意味ではこのゲームの芯として、壁として、とあるNPCの過去に関わってくる重要な鬼として、きっちり強くなければいけない理由がある。
それに、ダイマエンは単なる無理ゲーではなくきっちり攻撃対処を覚えれば高い勝率で勝てるようになっている。それでも油断すれば負ける可能性があるのだからかなり良いボスだと思う。
小型鬼(=雑魚)も攻撃頻度が高くなく、大型鬼と一緒に出現した場合も大して障害としての役目を果たしてない。大して動くこともなくあっという間にタコ殴りにされて死んでしまう。これは鬼千切ならぬ鬼イジメである。
この手のゲームの性質上前半出てきた散々狩り尽くしたボスも後半登場するのだが、これが体力を水増ししただけという感じで、単にプレイ時間が増えるだけで退屈。これは後半もっと強くなります、とは言わないと思う。
どのハンティングアクションにも言える事だけれど、どうせ前半に出てくるボスは弱いのだから最初から全ての動きを開放せずに、チャプターを重ねて後半になればなるほど動きが開放されていったらいいのになと思う。
そうすると後半、同じボスが出て「まーたこいつか」なんて思っても、違う行動パターンになっていたら「なんだこれは!」と驚く事が出来るのに。
(これは蛇足かもしれないけれど、折角大型鬼も後半になると変身するのだから逃げるという形じゃなく、鬼がプレイヤーを挑発する形で変身して別エリアに去って行き、そこで第二段階との再戦と言うのも悪くない気がする。これは本当にやったら賛否あるだろうけれど、ただひたすら殴りまくるんじゃなくてホッと一息つく時間が欲しいのだ。)
そして死の概念はかなり軽い。
NPCがかなり優秀なのもあるけれど何度死んでも何度撤退しても大丈夫。
撤退すると入手ハクが減るけれどそのくらいしか害は無い。所謂GE方式。
NPCが優秀なのは単に見てるだけでも良いものだけど、その分死を重くしなければ緊張感が無い。
だからこの難易度でNPCが居て3回死んだらゲームを消すという謎の縛りを最初から自分にかけて遊んでいた。
武器が複数種類あるのはもう当たり前で各武器の特徴について一々触れない。
76時間遊んでる現在でもまだ双刀以外の武器は使って無いから触れられないっていうのもあるんだけど。(全双刀作るまでは他の武器はやらんぞ!)
武器スタイルの他に大きく戦闘に影響を与えるのはミタマっていうシステムで200種類くらいあるミタマは8種類の戦闘スタイルに分けられる。そして8種類にはそれぞれ固定の回数制限付きのタマフリっていう特殊能力が設定されている。
例えば迅というスタイルであれば特殊能力でスタミナ消費を遅くしたり、逆にスタミナ回復を早くしたり攻撃速度を早くしたりと手数が多いスタイルにしたり出来るし、癒というスタイルなら、特殊能力で味方を回復したり戦闘不能の者を瞬時に復活させたりと支援特化のスタイルになる事が出来る。
またラグオデのカードシステムみたく各ミタマはスキルを3つ覚えられるからいろんなスタイルのキャラクターに出来るしここがこのゲームの醍醐味だと思う。
ただ欲を言えば8種類のスタイルに設定された特殊能力(タマフリ)は例えミタマの英霊の名前が違っても固定だし、それぞれのミタマにオリジナルの特殊能力が一つだけ設定されていてもよかったのにな~と思った。付与されてるスキルは皆違うからそれでいいのかもしれないし200以上も越えるミタマにそれぞれオリジナルの特殊能力をつけるなんて現実的な話ではないけれどね。
でもこのシステムはいろんなタイプのキャラクターが作れて面白い。
ミタマもまだまだ全入手にはいたらないし、攻略サイト泣かせなのも余計に熱が入って良いですね!
最近はぱっと攻略サイトとか埋まっちゃうからそういうところも面白くないから。
次回作は単に武器種が増えるだけじゃなくてミタマのスタイルが増える事にも期待出来るね。
物語に関しては、仲間・信頼・正義・1人じゃないみたいな日本の王道テーマなので既に沢山ゲームやってる自分があーだこーだ言うのは野暮なので触れない。極標準的な物語であるとだけ。
総合的に見てこのゲームは一部分だけを切り取ってここが良いっていうゲームじゃなくて、全体的な要素が高いところに位置していてバランスがとにかく良いゲーム。
大体一番最初の作品は、荒削りだけど一作目にしては良い、とか、一つの要素が際立っているがバランスとしてはまだまだ、なんて言い方になるけれど討鬼伝は最初っから大作の領域に一歩踏み込んでるゲームだと言い切れる。(欲を言えばバトル以外でも熱中できる要素が欲しかった。)
グラフィック、キャラクター、イラスト、ゲームシステム、がかなり高い次元で良いバランスをとってるし、これ以降この手のゲームを出すのはまたハードルが上がると思う。
Vitaで大手メーカーが本気を出すとこれくらい出来るっていう事も分かってしまったし。
ただインターネットマルチで最初っからコミュニケーションが取れなかったのは残念だったですけどね。意外と普通のところに手がいってない感じだった。今はもう出来ます。でもこれはユーザーの要望を受けた、というよりは今は標準搭載で当たり前の時代だから手放しにユーザーの願いが叶ったという部分ではないかも知れない。
ただそれ以外の要望の叶え方は本当に凄いですけどね。オメガフォース初めてのゲームがこれで本当に良かった。
*以下ネタバレ反転*
さて色々言われてる大型鬼に触れない訳にはいかない。
ツチカヅキは土竜型の鬼で、戦闘も後半になると変体して地中に潜る。
その間頭部位と腕部位以外、即ち足は一切攻撃出来ない。
この鬼は色々言われてかなり不遇だが地中を泳いでイルカの様にぴょんぴょん跳ねている時、実は攻撃をあてれば亀のようにひっくり返って体勢を崩すのだ。
だから全く攻撃出来ない時間を少しでも短縮出来るようにはなっているのだ。
このゲームの新の駄目鬼はツチカヅキではないと強く主張したい。
本当の駄目鬼はトコヨノオウ!おぬしだ!
とにかくこの大型鬼はラスボスにして最悪な鬼である。
動き自体は大したこと無いのに後半変体するととにかく走りっぱなしの状態になり攻撃しに近寄ろうものならあっという間に轢かれてしまう。
しかも止まるのは恐らく法則性の無いものだし止まった後1~2回くらい攻撃するとまた走りまくる。
このボスは本当に最悪である。
で、クリアすると結局40分くらい経っている。
走ってる間はとにかくプレイヤースキルが問われる事は一切無い。
トコヨちゃんを追いかけて俺達も走り続ける事になる。
まさか最後の最後で、本当に鬼ごっこをやらされるとは思わなかった。
こいつを倒すとエンディングだけど、これでもかこれでもかと感動させる近年の邦画形式ではなく、多くは語らないあっさりとしたものだったので、そこはこの物語の中でもとても良かった部分だと思う。
またクリアしてもゲームの要素の全てがヴェールを脱いでないというのも素晴らしい。終わった瞬間から再びゲームが始まるのだ。
今回PSP版買った人もVita版の魅力に気づいて次回作品ではVita版に興味持ってくれると良いですね。
これにて討鬼伝レビュー終了。
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