3DSについて

「3Dis」



思い返してみれば小学校あたりが一番ゲームを遊んだ頃で、ゲームの記憶が一番強く鮮明に残っている。

小学校低学年の頃、ゲーム機はSFCが一強で、それを土台にRPGならばFF派、DQ派と言う風に分かれていた。

ロマサガ派やウィザードリィ派、シミュレーションRPG派は少数民族で、宗派の争いが最も激しいのはFF派、DQ派だった。

この様にSFCが一強だったのでこの頃「任天堂のハードが」と言う風にハード自体が語られる事は皆無だった。

小学校高中学年にもなると64派とPS派で大きく分かれるようになった。

親がゲームが好きな家庭の子なんかは両方持っていたし、お金持ちの家も同様だった。

うちの学校は庶民的な人間が多かったので「PSと64どっちかね!」という家がほとんどだった。

俺がPSを手に入れるのは周りから大分遅れて2年後くらいの事であった。

最初は単純にSFCの進化形が64だと勝手に思っていてんだけれど知人のおっさんから「君の好きなゲームはPSに沢山出てるよ」と言われ、PS貯金をすることになった。

高校生にもなると私生活も忙しくなり、ゲームからは一切離れたが、うちの学校では男はほとんどPSPユーザーだった。

この頃TVを見るとDSやWiiの宣伝が沢山やっていたのを覚えている。

TV画面前でリモコンをふり家族で和気あいあい疑似スポーツをしたり、体重計みたいなものに乗っかって足のサイズを計ったり。

DSは脳トレとかだったかな。

俺は任天堂の魂胆というか、戦略というものが馬鹿な男子高校生の稚拙な脳みそでも大体すぐに予想がついた。

と、いうかゲームが好きな人間ならこの匂いに気づかない者はいないだろう。

恐らくゲーム機というものを、ゲームとは一切関係が無い人間の生活に溶け込ませようという意図のものだと思う。

ゲームをしない女性、忙しい社会人、ゲームを子供に与えたくない親……その対象は様々だと思う。

「ゲームを一般人により普及させる」というのは良い目標だと思う。

SFCだって大人の冷やかな目線と共に多くの家庭にやってきた。

ゲームが小さな村(特定の層)でのみ受けるようになってしまった現在ではこの宣伝は好きか嫌いかは除いて間違って無いと思う。

爽やかで明るい家族や芸能人がゲームをするさまは一般人には効果大だろう。
(余談だが俺は肝心の美術作品より芸能人の顔の方が長く映っている美術番組が大嫌いである。)

事実wiiやDSは爆売れした。PTA公認のゲーム機となったのである。
(PTAは一般認知、周りと同じというものに一番弱いものだ。)

「でも売れた後はどうするの?」

特にwiiからはそれがごっそり抜けおちているように見えた。(SFCようなゲーム機にはならなかった)というのが俺の結論である。

マッサージ機を買って何の効果も出ないまま、数年後にはほこりがかぶり、家庭の邪魔物扱いになっている、という家を見たことないだろうか。

恐らくwiiは邪魔者扱いにはならないだろう。マッサージ機のようには大きくないし。
その代わりにその存在を忘れられているという結末を迎えている。

一般人の流行の弱さにつけこんだ場当たり的商売の極みである。

一般人の流行とは熱しやすく冷めやすい。熱したところにさら熱くするような物を投与しなければ決して息は長くならない。
(勘違いしないで欲しいのは、だからSONYが良いと言ってるわけでも商売がうまいと言ってるわけでもない。)


さて遅めの誕生日として去年の誕生日プレゼントを友達から今年貰う事になった。

3DSとファイアーエムブレム(と、このブログには関係ないもう一つ。)

wiiとDSの下地があったために絶対買わないだろうなと思っていたハードだった。

確か3DSが出る前に丁度3D映画等が話題になりはじめた時期だったと思う。

これも俺が3DSを買わない理由の一つだった。

「また話題集めか」

俺のような偏屈なユーザはそう思ったはずだ。(自分自身の事を偏屈だとは全く思わないけど。)

もしかしたら3DSは丁度話題になってる3Dと全く偶然が重なっただけなのかもしれないが、そのように見えてしまった。

時流とは商売にはかかせないものだし、それに乗ること自体は悪いとは思わない。

ただ、wii、DSと続いたので、そういう風に見えてしまったというだけのことである。

任天堂の素晴らしい理念として「ゲームは子供の物」というものがある。

裏を返せば子供だましなゲームを売る、と近年の任天堂なら捉えられなくもないだろうか。

子供だましなものを売るのに2万5千円という価格はやや高すぎる気もするが。

だがそこは一般認知を利用するつもりだったのだろう。

DSに3D機能をつけただけの3DSは成功するように見えた。


しかし結果は発売からわずか半年後に1万の大幅値下げである。

自分は買わないだろうなと思っていた気持ちが絶対に買わないに心が変わった瞬間であった。

これは自ら2万5千円の価値がないものを売っていましたと白状するようなものである。

最も任天堂の公式の値下げ理由は涙なしには読めるものではないが。

1万5千円にすると大幅赤字らしいが、それでも沢山ハードが売れてソフトも売れれば話しは別だろう。

こんなハードに1円でも払うのは嫌だし、友達に貰うのすら申し訳ない気がした。

今でこそ任天堂はソーシャルゲーム界を批判しているが、モバゲーグリーがいなかったら任天堂がその位置になっていただろう。

粗悪とは言わないまでも進歩の無いハードを高額で売る位置に。

今でこそモバゲーグリーにゲームユーザの批判がいきがちだが、その親は任天堂だと思う。

ゲームをしない一般人を対象に場当たり的な商売でろくに進化してない物を売るというところが相似してないだろうか。


ゲームの面白さはハードのスペックでは決まらないという話しをちらほら見かける。

片方にスペックの高いハードがあって片方にスペックの低いゲーム機がある。

両方とも括りは「次世代携帯機」で売れているのはスペックの低い方。

売れているハードにゲームが集まるのは当然(というかWiiがちょっと例外的にゲームが少ないだけ)だしゲームの面白さはハードで決まらないというのは当たり前の話しだと思う。

面白いゲームはどのハードに出ても面白いだろう。そしてそれがスペックの高い方なら尚良い。

SCEやマイクロソフトにゲームの面白さがハードのスペックで決まらないと言うのなら、任天堂に対しては最も売れているから最も優れているわけではないという文言が通じるだろう。

AKB48は今やCDを最も売るアイドルだが最も優れた音楽では無いように。

俺をハード至上主義と揶揄する意味で「ハードでゲームを選ぶ人は」と遠回しに言われたけれど、そういう意味でスペックの高い方を重視しているわけではない。

別に一番売れているゲーム機が最もスペックが高いならそれは何の問題もない。

スペックが低いのに一番売れているというのは進化の足かせになってないだろうか。

恐らくモンハンにしろ、エムブレムにしろ、クリムゾンシュラウドにしろ、3DSでもやったら面白いゲームはあると思う。しかしそれは3DSに出なくても面白かったゲームでもある。

しかも分かりやすいところでモンハンやバイオハザード、メタルギアソリッドなどは日本の次世代ゲームを象徴するゲーム達で、本来ならスペックの高いゲーム機に出るゲーム達であり、片方にスペックの高いハードがあるのだからPSVだったらもっとよかったのになぁ、という考えはどうやっても払拭できないと思う。(これらのゲームが出たのは別に任天堂のせいではないだろうけど。)

ヴァニラウェアの美麗な2D画面もXBOX、PS3やPSVでなければ駄目だろう。

ハードだけで見た時に3DSとPSVが最初同じ値段だったことは到底信じられない。


頂いた3DSは赤い色の物で、この色合いは非常に良い物だなと思った。

いつだったか電車で見かけた時、なんと安っぽい見た目なんだ、よくこんなのを電車で、しかも大人が使ってるなと思ったけれど、そういう印象は全く無くなった。

説明書やTOPの画面も柔らかい雰囲気で、この辺は流石に任天堂と思わせるセンスとなっている。

SEもボタンからこぼれるような音で心地いい。

やはり一般受けするものはあるなと思った。

画面に関しては小さすぎるという印象があったが、これは実際手に持って覆ることはなかった。

もしかしてPSPより小さいんじゃないかと思ったが事実その通りのようだ。

GBAより小さいんじゃないかとすら思った。(それは言いすぎだと怒られた。)

FEは非常に面白いゲームだがいかんせん画面が小さく目が痛い。

このゲーム機でモンハンをやるという事が全く想像できない。

それくらいに画面が小さい。

認識を改めさせられたのは2画面という構成。FEならバトルフィールドを上に表示し、下の画面に解説やキャラのステータスが表示されている。

非常に画期的だなと思った。

2画面なんて画面が多けりゃ良いって問題じゃないだろと馬鹿にしていたけれど、食わず嫌いはいかんなと思った。


ただやはりこのゲーム機はDSの「後継機」であって「次世代機」と呼べないなというのが最終的な感想。

WiiにしろDSにしろ一番売れているという事は覆しようもない事実だけど、それがゲーム機として一番優れているか

と言うと全くの別問題なのではないだろうか。

前に述べた通り一番売れているゲーム機が一番スペックが低いのでは、進化の足かせになってると思う。

日本のゲーム会社はきっとやりやすいだろうけど。

そういう意味で俺はハード屋としてマイクロソフトやSCEを支持出来ても任天堂はやはり支持出来ない。

(俺一人が任天堂のゲーム機を買わなかったところで痛くもかゆくもないだろうから好きに言わせてもらおう。)

WiiUで一番売っているという事の責任を果たせるのかが見ものです。



次はエムブレムのレビューだよ!打って変って好意的なものになります。



【筆者:ロジオン】

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