2012年11月30日金曜日

【PS Vita】イース セルセタの樹海 ★おすすめゲーム

「良くも悪くもいつものイースだと思っていただけに」

ファルコムのゲームと聞くと大体想像するのが物語りが良いという点である。

ファルコムファンからゲームを薦められる時も大体ストーリーが良いと言われる。

が、ゲームのストーリーが良いっていうのは特に日本に於いては余程セオリーから冒険しなければストーリーが本当つまんねー!と思う事は滅多にない。

なかでも感動系、泣かせ系はもう供給過多であると思う。

3.11以降は絆過多である。

絆絆言い過ぎてくもの巣みたいにこんがらがっちゃった。

絆という言葉を隠れ蓑に蠢く悪も現れ始めた。

話がそれた。

だから僕はあまりストーリーが面白そう!という理由でゲームは買わない。
ストーリーが面白いというのはRPGは大前提でゲーム的な+αが欲しい、という事である。

セルセタの樹海もそういった理由で買う予定ではなかった。

ファルコムのゲームにストーリーが面白そうなんていうのはこんにゃくがよくすべると言うくらいに当たり前の事なのである。

ゲームは物語という情感に訴える部分に加えて何らかのテクノロジーの進化を感じさせる要素が必須だと自分は考える。

グラフィック、戦闘システム、キャラのモーション、斬新なユーザーインターフェイス...etc

そういう意味ではグラフィックという最も視覚に訴える部分も、ハードがVitaという事を考えればそれ程驚くような点はなかった。

ふーん、7の延長線上なのね、というくらいの。

しかも僕はファルコムに恨みがある。

セルセタの樹海の一つ前のイース7もやっているのだが、イース7のヒロインはなんとピーッになってしまってとても絶望的なったし、もしファルコムがなんらかの形でこのキャラをピーーーーーッしてくれないなら不買運動も辞さない覚悟だった。


なーんて毎回天邪鬼なロジオンですが結局買いました。

しかもわざわざ売り切れ続発中の初回限定版を無理無理購入。

だってフォロワーさんが買えよ!といわんばかりのスクリーンショットを貼りまくるからしょうがないじゃない・・・

そもそも冒頭であまりグラフィックのよさを感じなかったと書いたけれど良い。

特にキャラクターグラフィックは原画のそれを軽く凌駕している。

キャラクタークリエイトできるゲームも、少なくとも日本のゲームはこれくらいをもう標準にすべき。

特に女の子のキャラクター萌えではなく、綺麗である。つまり美しい。つまりビューティフォー







フィールドもキャスナンの街(最初の街)を見たとき、普通だなぁ~と思ったものの、森などの各種フィールドはとても質感が良い。夜になったときの春の宵のような雰囲気や、ゴールドピッカードの光が夜に光る感じも丁寧に作られている。

雑草や森の地面などにも目を向けたくなるゲーム。

(個人的に朝昼夜の概念はどのフィールドにあってもよかったと思うけどね。)

とはいえ、グラフィックはもっともっと良くしていく事が出来るのではないかという、第一印象は変わらない。
が、グラフィックがあまり良くないのではないか、という最初の印象は撤回する。


イースは極めて原点的、王道的なRPGだし、システム部分が語られることは少ない。

事実、我々がイースの歴史を遡るという意味でならイース1・2から振り返る意味はあるだろうが、ゲーム的な面白さを感じるうえで、今イースの古い作品に触れなければいけない理由は特に見つからない。

それは昔のイースシリーズを今のゲーマーが触れるには文字通り古すぎるからだ。
(それでも今なおイース2のオープニングはゲーム史に残る傑作だと断言する。)

イースクロニクル1・2を今作購入前に改めてプレイして、古いイースにしかない雰囲気というのは確かに存在するが、その価値観を今のゲーマーに押し付けて今のイースは面白くないというのはファンのエゴでしかないだろう。

僕がこのゲームをオススメしたいのは、既存のファルコムユーザーだけではなく、かつてJRPGで冒険を楽しんだ日々が忘れられない、かつてのわくわく感を思い出したいという人である。

イースシリーズを総合してゲームのボリューム的にも、やりこみ的にも最も充実してると言える。

昨今やり込みといえば作業そのものを指す事が多いけれど、そういうやり込みとは違い、ゲームの目的に矛盾しないやり込みとなっている。

未開のセルセタの樹海探索とその地図の完成、アドルの記憶の回収、戦闘を楽しくする物語に関係の無いフィールド最強のモンスター、酒場のクエスト、宝箱の全回収などなど、全ての要素は「冒険」に密接に絡んでいる。

基本的に一つのイベントが終わったら次の目的地に辿りつくまでかなりの自由時間があるのだが、僕なんかは最初のイベントを発生させるまでに4時間も樹海探索に費やしてしまった。

それほどまでにただ歩く事、ただ戦う事、即ちただ冒険する事が楽しいゲームだし、
この面白さ・この感覚は予算の都合が世界観にダイレクトに現れる日本のRPGには無い。

RPGをやっていて、久々に冒険ってワクワクするぜ!と思えるゲームである。
(冒険のワクワクを100%持続させるために、一周目から攻略wikiや攻略本を使うべきではないだろう。攻略情報は一周目以降の穴埋めとして利用される事を強くおすすめしたい。)

そしてそういう意味でなら、いかに美しいムービーなどはゲームに必要無いかを実感出来る。
ゲームは動かすことが出来てはじめてゲームだと思う。
いかに美しい画面でも動かすことが出来なければ意味はない。
3分間の美しい映像CMを1年かけて製作したことを自慢している場合ではない。

7の戦闘を踏襲している本作は前作に比べても爽快感が増しているし、戦う事がいつまでも退屈にならないだろう。サガシリーズで認知を得ている閃きシステムをアクションゲームにこういう風に詰め込んでくるとは思いもしなかった。

とはいえこのアクションゲームに於ける閃きシステムはまだまだ実験段階だし、もっと深く掘り下げる必要があるのは確か。

基本的に要所要所で確実に閃くことが出来るし、閃きの分岐等などは無い。

キャラ自身のレベルが技を覚えるための条件で無くなったことにより、より戦闘を面白く出来たという事が大きい進化。視覚的にもね。

前述したやり込みや先頭システムの面白さは、いつの間にか読み物的なゲームの面白さに逆転し、勝利している。

もう作業(=やり込み)はいいから次のイベントにうつってくれ!と言いたくなるようなやり込みがRPGには多いけれど、やり込みを感じさせずに気がついたらやり込んでいるという理想のシステム。

最早内輪ファンのためのイースシリーズとしてではなく、一つのゲームとして評価されるべきゲームだと思う。


酒場のクエストやフィールド最強のモンスター、武器の作成・強化等、7の素材集めに加えてかなり現代的な要素も加えられているが難易度自体はナイトメアでも簡単だし、これくらい自由になってくるといよいよ本筋に関係無い深いダンジョンとかも欲しくなってくるし、イースシリーズとは別に完全にストーリーはオマケのゲームも作って欲しい。

それ程までにイースシリーズからは完全に独立してゲームとして面白い。

ただし、物語に関してはもう少し肉付きが欲しかった。
それは物語自体を長くしてくれだとか表現を豊かにしてくれという事ではない。
むしろあれくらいあっさりした表現が今の時代、想像力を刺激するという意味では良いと思う。
ここで言いたいのは単に黒幕の使徒があまりに少ないという事。
ボスモンスターの数は十分に多いんだけれどもうちょっと、これは普通のボスバトルとはちょっと違う特殊なバトルと思わせてくれるバトルが欲しかった。

そしてバトルミュージックは7のCrossing Rageを越える戦闘曲は無かった。
これは記憶違いだったら申し訳ないけどコロニア古戦場に初めてたどり着いたとき、キャラクターの誰かが、「寂しい場所」みたいなことを言ったと思うんだけど、その直後に流れる音楽がユーロビートみたいな感じのノリノリな音で吹いてしまったし、全然画面にあってないと思った。
バンドサウンドや生音は豪華だとは思うけれど画面によっては表現が過剰すぎるし画面に全然あってないと思うところがコロニア古戦場以外にもいくつかあった。
そういう意味では7はまだやり過ぎてなかったし、もうちょっと引くところと押すところを考えて欲しいと思う。
音楽と画面のシンクロは1・2以上のものはないんじゃないかと思う。
まぁもちろん初代とは違う手法でやりたいという事は分かるんだけれど。


イースシリーズはRPGの作品としては1987年から存在する最古参の一つだが、FF、DQ、アクションゲームの聖剣伝説、ゼルダの伝説等と比べると、イマイチこじんまりとした、ある種マイナーな、ある種内輪的なゲームでスケールダウンするようなイメージがあった。

現代的な、ある種の外国ゲーム的な要素を入れようとして多くのシリーズが冗長的、やり込みという名の作業に陥ってくなかで、アクションの爽快感、冒険の面白さを保った上で貪欲に実験的に現代的な要素を盛り込んだこの作品に、老舗メーカーファルコムに、天晴れと言いたい。

Vitaユーザーならシリーズのファン問わず間違いなくプレイはマスト。

(とは言え、アドルの記憶にしろ、地図の製作にしろ、セルセタの樹海のみの一発ネタではあると思うので、次のイースの進化の仕方に更に期待してしまう。)





【筆者:ロジオン】


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