2013年11月29日金曜日

【PS Vita】God Eater 2 レビュー

「意外性無し」

※このレビューは2013/11/29無料アップデート時期とその内容判明前のものです。アップデート内容はファミ通をご覧ください。http://www.famitsu.com/matome/ge2/131129.html

・総評
ゲームを最後までプレイすると改めて「これだけ多くの人が関わって出来上がっているのだな」というのを実感するし、そういう意味でも(ごく一般的なユーザーならともかくとして)自らをゲーマーと名乗っているような人はゲームに対しテキトーな態度をとってはならないし敬意が欠けてはならないとここ最近特に強く感じる。

というかゲームに関わらず生活に関わる全ての要素をエンドロール化したら莫大な人達が関わっている事が分かるだろうし、自分達が普段当たり前のように使っているものは表に出てこない人達によって作り上げられていると考えると感動するところがある。

これだけの人が関わっているのに沢山の障害を乗り越えて一つの物が出来上がる。改めてこの事そのものがそんなに大げさでもなく奇跡的なものに感じる。

エンドロールに表示される会社や人の名前、この中の誰かが手を抜けば、きっと完成品にその粗が出るのだ。大げさに言えばビルが崩れるだろうしゲームなら雑な出来になるだろう。

しかしゲームの場合、ビルと違ってその出来が雑であっても死者が出るという事は無い。

だからこそ、エンドロールに表示される人達に敬意を払い作品が出来た事を祝福しつつも、その雑さに対して心を鬼して言わなきゃならない正直な本音も時にはある。

GE2というゲームは自分にとってそんな作品の一つである。

今回のレビューはいつもと違ってネタバレ全開となるので、先に自分のプレイ総評を記すと、

極めて凡ゲー

GEBを良ゲーとすると、GE2は凡ゲー以下である。

GE2は発表から発売までとても時間がかかった作品で、それも相まってそう感じさせる。
以下それを記していくので最後の物語の項目は未プレイの人は読むべきではない。

・グラフィックや動き
GE2はVitaハンティングアクション(MO型アクション)の中でも最も最後発のゲームで、満を持して発売されるゲームであった。
Vitaのこのタイプのゲームではソルサク→討鬼伝と、どんどんグラフィックが凄くなっていったためGE2の期待度はとても高かったのではないだろうか。
どうしても一作目からクオリティの高かった討鬼伝との比較となってしまうが、見劣りしてしまうように感じる。発表初期、キャラクタークリエイトの画面だけを見ればとても滑らかになったというイメージはあったけれどプレイ中のゲーム画面に衝撃は無い。討鬼伝はPSPとのクロスプレイをうたっていながらそれを捨ててぶっちぎりのグラフィックとなっていた。GE2は飽くまでPSPとのクロスプレイも大事にしたという事だろうか。割れの問題などを度外視すればGE2はPSP一本でも問題無かったとすら思えるクオリティである。モーションに関してもPSPからの大きな変化は無い。
ネットを徘徊していると「GE2はソルサクや討鬼伝と比べても後出しという事が分かっているのか」というような意見も見かけたがまさにその通りの出来である。
Vitaで出る全てのこの手のタイプのゲームは全て体験版をプレイし、要望を送ってきたけれど、GE2は体験版時、全く書く気になれなかった。そのひとつが上記の様な原因である。

・インターネットプレイとアバターカード
他全てのハンティングアクションはインターネットプレイが標準搭載されていたために、これが無いと言う事はどの様な理由をつける事が出来たとしても、見劣りする点だと思う。
特にGEは装備性能によって見た目が振り回されないためキャラの個性が出やすいゲーム。
そう言った意味でもインターネットプレイは欲しかった。GEは物語推しのゲームだと思うし、確かに遊んでいるとシングルプレイでもお腹いっぱいにはなれるもののせめてアバターカードくらいはnearで交換させてほしかった、というのが正直な感想である。

・ゲームシステム
狩りゲー元祖として圧倒的にコアな腕を要求される難易度のモンハン、共闘ゲー元祖として生贄と救済という独自システムを積み、他プレイヤーとの駆け引きを楽しむソルサクと比べると、GE2はゲームシステム全般が何が最大の特徴なのか、そして誰に向けられて作られているのか、が分かりにくい。

ゲーム難易度は極めて低く、このタイプのゲームを一つも遊んだことが無いですという人でも今すぐ始められるだろう。そこはカジュアル向けとして非常に良いのだけれど、その難易度が本編のエンディングまでほぼずっと続くため慣れているプレイヤーとしては死ぬほど退屈で、プレイしていると眠くなる。そしてその"眠くなる難易度"のクエストの間に唐突に現れる鬼畜難易度のクエストの存在は難しいクエストがあってホッとしたという人と、なんでいきなりこんな難易度のクエストを配置すんだよ、と思う人と両方いるだろう。
それくらいにバランス感覚が無い。今までずっと平らな道を歩いていて、いつになったら坂が上がってくるんだろうと思っていたら目の前に突然90°の壁が現れ、ロッククライミングしてくださいと言われるようなものである。

雑魚モンスターは雑魚なりの障害を成しておらず特にテクニックも問われず殴っていれば終わる。しかし無駄湧きしたりするし、ソルサクの様なカウンターも無いので倒すのに意味もなく時間を消費する。眠いうえにだるいだけである。ソルサク贔屓だからというわけではないが、他作品をプレイして初めて「ソルサクは何故この要素を入れたのか」という事を理解出来たような気がした。
GE2は戦闘そのものは楽なのに、ダラダラしているため時間だけはきっちり強い敵と戦った時と同じくらいかかるようになっている。

(ちなみに討鬼伝もゲーム終盤までかなり楽な難易度が続くがこのゲームは部位破壊の演出が麻薬的な中毒性がありそんな駄目な事を忘れさせてくれる爽快感がある。元祖ハイスピード推しのGEにも「これだけで飯3杯食えちゃう」みたいなシステムが必要じゃないだろうか。)

戦闘関連で3つ良かった事がある。それはNPCの弱体化と場面の変化による指示出しの必要性、ジャストガード、である。

GEBはNPCが余りに便利過ぎたため24回くらい自分が死んだとしても勝利はほぼ約束されたもので、余り自分が頑張る意味がなかった。即ち自分がゴッドイーターを率いるリーダーという実感は薄いゲーム性であった。しかしNPCが結構な頻度でアイテムをきらしたり、キャラクターによってHPにばらつきがあるため死んだ時には助けてやったり回復柱を出してやったりと、リーダーらしい行動をとる必要性が生まれてくる。GEBからプレイしている人だと単に劣化したと思えるところだろうが、元々高いゲーム難易度でもないのに神がかり的な動きをするNPCを配置すれば更に眠たさは促進されるだけであり、これくらいが適度であると思う。GEBより強くなく、ソルサクよりは頭が良い、そんなNPCじゃないだろうか。
またフィールドが以前より狭い場所、広い場所がはっきりしたため、実験的であった指示出しが意味のあるものとなってきたのは良い事ではないだろうか。
ジャストガードも単にガードを出せば良いだけではなくタイミングよく出す事を要求されるので地味に楽しい部分である。
これらの新要素に対し余り面白くはない新要素としてブラッドアーツがある。
GE2はこの要素を強く打ち出してきたものの、アクションが微妙に変化したり、エフェクトが変化したりする程度で、もっとアクション操作その物に影響が出るようなものが良かったというのが正直な感想である。(当時はアクションにすら絡まないと思っていたのでブラッドアーツに対する評価は最低だった。)

そして複合コアシステムも新システムだが、作業感の強いものである。
従来のハンティングアクションは素材を集め武器やら防具やらを強化していくシステムだった。

今回GE2はこのコアシステムを強く打ち出しており、武器・防具の強化にはコアが必須である。

複合コアシステムはコアを作るために必要なコストを満たす必要がある。そのコストを満たすために複数のアラガミの素材をぶち込んでいくのだが、結局コスト数値が上位のものはめちゃくちゃ高いので、これならアラガミの素材で普通に強化させてくれよ、という感がぬぐえないし、第一このコアを作るために退屈な戦闘を繰り返さなきゃいけないのは作業の連続である。

レビュー前半に誰に向けて作っているのか分からないゲーム、と記したのはここである。カジュアル向けに戦闘を楽に作ったのに退屈な戦闘を繰り返す作業はカジュアル向けからは程遠い。

せめて希少なアラガミ素材を少量使って強化するか、そうではなく希少なアラガミ素材を手に入れられない代わりに高いコストのコアを要するという2パターンが必要だったのではないだろうか。ソルサクの供物の強化ルートや合成ルートが1パターンで苦痛だったようにこのコアシステムはその轍を踏んでしまっている。

そしてキャラクターエピソード。
今回メールシステムが無くなった代わりにこのシステムが搭載された。本編のほかにキャラクターとの親睦を深めていくことでキャラクターの特別なエピソードが見れたり、能力が強化されていくというものである。しかしこれもフリーミッションに何度もつれて行かなければならなかったりしてかなり面倒くさい。
わざわざこのキャラクターエピソードのためにアナログな表現のメールシステムを削る必要はなかったんじゃないかと思う。

今回のGEはそうでなくても作業感の強いハンティングアクションに更に作業と感じさせてしまうようなシステムを積みまくる事で最高にねむたいゲームとなっている。

つまりゲームシステムとしてしっかりとした一本通った芯みたいなのを感じる事が出来ない、という事である。

・ストーリーとキャラクター(※ここから未プレイの人は読むべきではないと念押し
GEはGEBに「改善」されて一気に人気の出たゲームである。
意味不明な難易度から超絶生ぬるいアクションゲームが苦手である者でも遊べる素晴らしいゲームに変身したのだ。
(最も個人的にGEBはあの楽勝な難易度でよく神ゲーとか言えるなと思える難易度だし、あの難易度でやっと面白いゲームと感じるんだとしたら要望を出した人はよほど下手糞だったのかと勘繰らざるを得ない。もしそうならば、GE2のこの難易度には納得だが)

どちらかというとゲームシステムよりキャラクターや物語で魅せにいく現代の形(狩りゲー)に落とし込んだJRPGであると思うし、そこがGEシリーズの最も優れた点であるならば、僕はそれはそれで良いと思う。事実GEBは先のストーリーがどんどん知りたくなるものだったから戦闘があんな感じでむしろ助かったという気持ちもある。

ではGE2はゲームシステムがイマイチな代わりに最高のストーリーが、そして最高のキャラクターが用意されているのか?
と言うと残念ながらそうではない。

ドラえもんとキテレツ大百科をご存知だろうか。
キテレツ大百科を知らない人間でもブタゴリラを見ればこれはジャイアンと似ているなと思うだろうし、みよちゃんならしずかちゃんにあたるキャラクターだろうな、と連想できるようになっている。

GE2もそんな風に、このキャラクターは前作のコウタにあたるキャラだろうな、とか、アリサにあたるキャラだろうな、とか考えられるようになっている。

だが、それが前作のキャラクターよりも劣っていると感じてしまうと途端に前作の方がよく思えてくるだろう。

少なくとも自分はGEBの主人公の環境の方が良かったと思った。アリサ、ソーマ、リンドウ、サクヤ、サカキと同じ時間を過ごしたのだから。

主観になってしまうが、GE2のキャラクターに初代GEと並ぶオリジナルなキャラクターはほぼいないと思う。精々エミールや、ユノ、ナナくらいじゃないだろうか。(そのナナも露出の点前より露骨だなと思った)

そして物語もほとんど前作の焼き直しみたいになっており、特異点をなんとかするという最終目的はまったく同じだし、シックザール支部局長に当たる役目はラケルが担っている。
しかしラケルにはシックザール支部局長ほども感情移入が出来ない。
そして特異点と化するジュリウスを最終的に助けに行くときも勝手に物語が盛り上がってるだけでリンドウを助けに行く時のような大きな盛り上がりは無い。
ジュリウスが一人孤独な戦いにかえっていくのもシオが月に行ってしまうほどの(ソーマの)喪失感のようなものはない。
理由としてはジュリウスやラケルの描写が余りに少ないからだと感じる。
ジュリウスは最初から完璧超人過ぎるし(最もグレムを怒鳴りつけるシーンは最高だった)、ラケルはレアから突き落とされる前から最初から少しおかしい感じだし世界を滅ぼし再創造させたいという動機に至る理由が不明。
行間を無理矢理読みラケルを解釈するんだとすればラケルは欠落している怪物的な自分にどこか自嘲的な面があって偏食因子を投与された事により、自滅・自殺願望が加速し、自分の様な壊れた怪物が生まれない世界を完璧・超人であるジュリウスを利用し作り上げたかったのだろうか、とか考えたけれど…
一番最初のソーマとラケルのシーンも、同じ壊れた者同士でも、欠落した部分を乗り越え自分の中の怪物を飼いならし救われた者と、怪物を放し飼いにし自分の世界に閉じこもり救われなかった者の対比でありラケルの未来の暗示だったのかもしれない。
後付けで理由はいろいろ考えられるものの、GEBと違うのは圧倒的に物語の細かい描写にかける。そしてそのまま最後まで行ってしまうためカタルシスは味わえず、不完全燃焼感は否めないものとなっている。また、GE2側にリンドウやサクヤ、サカキ、シックザールといったきちんとした大人の年齢の人物、というのが少なかったのも単なる青春・絆ファンタジーに終わってしまった一つの理由だと思う。本部の陰謀を匂わせるグレムや卑屈な博士クジョウというキャラクターはいつの間にか蚊帳の外に消えてしまったし、彼等をもっとうまく使ってもっと深部を描写する物語にしてほしかった。ユノに特異点が出来上がりつつあるという時点で、あぁ最後はジュリウスと対峙させるんだろうな…というのも予想出来てしまったし。
GEBもGE2も結局フェンリル支部中枢とは関係ない、個人の暴走を止めるお話だったので次はもっと中枢に絡む、陰謀めいた物語を望む。

感動はどこか寂しさが付き纏い暫くそのゲームの音楽を来るとブルッと来るものがあるが、GE2にそういうものは全く感じない。GEBはゲームクリアしてしまった時、もっとこの世界が続いてくれないかなと思ったものである。全く別のゲームだけど同じく感動したゲームジルオールも、首都のエンシャントのBGMとあの夕陽を見ただけでグッと来てしまうものがあり暫くゲームを遊ぶ気になれなかった(良い意味で)
GE2の場合、余りに前作のGEBが良すぎたためにかえってそれが大きな障害となってしまったと感じる。

とは言えキャラクターも世界設定もとても魅力的な物を持っているのだし今後が全然期待出来ない訳ではない。

次回作はもっと素晴らしいものになるよう期待を込めての凡ゲー、という評価でした。

ここまで辛口なレビュー書いたのはひっさびさかもしれないけど、まだまだ遊んでます。

筆者:ロジオン


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